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山名菅村を知る企画展 4月22日から勿来文歴 俳人から宮司まで多彩な姿
俳人、教育者、歴史家、平・大國魂神社宮司など生前多岐にわたり活動した、山名菅村(本名・隆之)=1915~1987=の軌跡をたどる、市勿来関文学歴史館企画展「山名菅村~表現を愉(たの)しんだ人格者~」が、4月22日から勿来町の同館で始まる。
同展では実直で温厚な人柄として知られ、俳句、絵画、随筆などに才能を表すとともに、後進の育成、民俗芸能「大和舞」の保存・伝承に努めた菅村の71年の生涯を、遺品など約40点で振り返る。会期は8月27日まで。
山名菅村は平菅波生まれ。國学院大の学生時代に、俳人・村山古郷と親交を結ぶ中、儒学・漢学者大須賀筠軒の次男・大須賀乙字(本名・績=いさお)の弟子で、俳人内藤吐天(とてん)に師事し、句集『海の蝉』『夏井川』『水に透く落葉』『やまなみ』などを発表。このうち1962年には『夏井川』で県文学賞準賞を受賞した。
さらに教育者として長年教壇に立ち、好間高校長などを歴任したほか、史的随筆『菅原道明伝―ふくしま水力発電創設者の生涯』を著した。退職後は、元学校長らの有志でつくる「ランプ画会」に所属し、油絵を描くなど幅広い趣味を持っていた。
展示資料は菅村の若き日の日記、句集自筆原本、色紙、油絵、愛用のパイプ、水石ほか、内藤吐天短冊、村山古郷『大須賀乙字伝』などを紹介する。