太平洋の島しょ国・パラオのウィップス大統領が13日、県漁業協同組合連合会(県漁連)の小名浜冷蔵冷凍工場を訪れ、野﨑哲会長と懇談した。東京電力福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水を巡り、今夏にも予定されている海洋放出は、太平洋の島しょ国でも関心が高く、日本はパラオを含む「太平洋諸島フォーラム」に、安全性について説明している。
パラオでは、海洋資源の維持に努めていることから、ウィップス大統領は小名浜魚市場の様子を見学したほか、いわき市の名物・メヒカリの唐揚げや、カツオ、スズキ、ヒラメ、ホウボウの刺し身を食べ、日本語で「おいしい」と笑顔で語った。
来日は12日から4日間の日程で行われており、13日は小名浜魚市場に続いて、福島第一原発を訪問し、海洋放出に向けて始まった試運転の設備等を視察した上で、県庁では内堀知事と面会した。原発処理水の海洋放出に関しては言及を避けたが、「福島第一原発を見学できたのはよい機会。廃炉は透明性を高めることが大切だと感じた」と振り返った。14日には岸田首相と会談する。
パラオの大統領の来市は、2018(平成30)年の第8回太平洋・島サミットで、当時のレメンゲサウ氏以来となる。
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