自然環境の保全について顕著な功績があった個人、団体をたたえる環境省の「令和5年度『みどりの日』自然環境功労者環境大臣表彰」がこのほど決まり、いわき市関係者で唯一受賞した、市環境アドバイザーの草野秀雄さん(74)=小川町=への伝達式が27日、市役所本庁舎で行われた。
本年度は全国で31件の個人、団体が選ばれており、草野さんは自然とのふれあいに関する各種活動や行事を推進した人を対象とした「自然ふれあい部門」で受賞した。県内関係者ではこのほか、会津若松市の〝背あぶり山〟を育てるために発足した、「美しい背あぶりの杜をつくる会」が受賞した。
草野さんは、耶麻郡北塩原村の裏磐梯に野鳥や自然の観察で30年近く通い詰め、自然の楽しさを伝えようと、1999(平成11)年に磐梯朝日国立公園の環境省自然公園指導員(ガイド)の委嘱を受けた。
2001年には「うつくしま未来博 森のネイチャーツアー&森の学校」にボランティア参加。同年10月には市民団体「いわきの森に親しむ会」を立ち上げ(現在は退会)、02年に市環境アドバイザーの登録を受けた後は、市内の小学校、公民館、自然公園などで自然体験活動や自然環境学習の支援・指導を実施するなど、自然とのふれあい活動に尽力してきた。
アドバイザーとしての活動は20年以上にわたり、本市に限らず県内外をフィールドに自然体験活動、自然観察会の支援・指導などにも力を入れ、NPO法人福島県もりの案内人の会会員、自然保護協会の自然観察指導員、NHK文化センター講師としても活躍する。
内田市長は「環境アドバイザーとして長年にわたる活動ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えると、草野さんは「二十数年、地道にコツコツと活動を続けてきたことが認められたと思っている。個人の活動ではたかが知れているかもしれないが、これからも人を巻き込んで啓蒙活動を続けていきたい」と語り、今後も自然環境の保全に向けて尽力していくことを誓った。
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