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夏の高校野球 いわき勢唯一の磐城は8強で終わるも 最後まで意地見せた

 第105回全国高校野球選手権記念福島大会(県高野連など主催)は大会11日目の21日、福島市の県営あづま球場と郡山市のヨーク開成山スタジアムで準々決勝3試合が行われた。このうち磐城は開成山で、会津北嶺と対戦し、4-11で敗れた。
 磐城は初回に先制点を許すと、二回にはさらに打者12人の猛攻を浴びて8点を追加され、大きくリードされた。四回と七回に意地を見せて2点ずつ返したものの、七回コールド負けとなった。
 <新興私学に屈するも 夢は後輩たちに託す>
 ○…夏に強い磐城と言われながら、福島大会2年連続初戦敗退。その悔しさを糧にノーシードから勝ち上がってきた磐城だったが、2001(平成13年)以来、22年ぶりのベスト4進出に望みをかけた古豪の快進撃は二回までに粉砕された。「二回の8点は重かった。序盤だったので少しずつ返していこうと思ったんだが……」と渡辺純監督。相手は会津若松市の会津北嶺。2017年4月に若松一高から校名を変更し、翌年の大会から16年ぶりに復帰した。それ以来夏はまだ1勝だった。部員51人。地元会津地方のほか沖縄県や関西、東京などから選手を集めて強化し、昨秋・今春と連続県大会に出場。春は聖光学院に敗れたが、ベスト8に入った新興私学だ。
 ○…初回いきなり先頭打者に三塁打を打たれ、さらに適時打で先制されると、二回には犠打を挟んで5連打を含め、打者12人で8安打8点を奪われた。会津北嶺のコーチ陣が磐城の試合を見て選手の特徴を分析。攻撃では変化球を見極めて、ストレートを打つ作戦がはまった。夏は1年生から出場し、新チームで主将となりすべての公式戦で投手陣をリードしてきた折内康太郎(3年)が「真っすぐで押してスライダーでかわす」つもりが狙われた。詰まるはずだった打球が、野手の間を抜けていった。
 ○…それでも先発の鷹崎誠之伸(3年)を救援した今泉岳陽(2年)が三・四回を無失点に抑え、四回には湊一真(2年)が二塁打で出塁。四球を挟んで管大輔(3年)が今大会初安打でつなぎ、8打席連続無安打だった水野旺亮(同)も中前安打を放って2点を返した。コールドを免れようと、七回には前の打席であわや本塁打という当たりを見せた志賀映太(2年)が、中越えに2点二塁打を放って意地を見せたが、磐城の〝夏〟はこの回で終わった。折内主将は「やりきって負けた。ベスト4の壁は、この悔しさを経験した後輩たちが破ってくれるはず」とベンチ入りした20人中11人の2年生に託した。

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