お寺を地域の子どもたちの学び合いの場にしよう――。好間町下好間の光景寺(國田顕應住職)は22日、〝寺子屋〟活動の1回目を同寺で開いた。近隣の小学生や父母、ボランティアスタッフ約20人が同寺に集まり、初回は夏休みの宿題と「手話」にチャレンジ。あいさつや自己紹介などのコミュニケーション方法を学んだ。
かつて、お寺は人々が集い、つながり、学び合う地域コミュニティーの中心だった。核家族化が進む現代は、人との関係が希薄になりがちで、子どもたちがさまざまな人との出会いや別れを体験する場が少ないという。
父法應さんが鬼籍に入り、同寺を継いだ顕應さん(41)はもともと、特別支援学校で教員を務める。福祉、教育の分野で子どもたちの支援にかかわりながら、自らも子育てに励む中で、昔のようなお寺の役割を復活させ、地域に開かれた寺院を目指したいと思うようになった。
子ども食堂に学童保育……。他寺のさまざまな取り組みに学び、やり方を模索していたところ、幼なじみで、令和2年より障がい者支援の事業をはじめた西山将弘さん(はなのころ代表)=好間町=と再会。西山さんを通じ、福祉職のメンバーがフリーパーソナリティーのベティさんらと立ち上げた交流団体「うずうず」へと縁が広がった。
メンバーを集めて今年1年の活動内容を話し合い、初回は手話の体験会「手話で話そう」に。いわき聴力障がい者会の渡辺洋子さん、手話通訳士の宮本桂子さん(いわき手話サークル)に講師を依頼した。
同日は「手話がはじめて」という子どもが多くいるなか、宮本さんが「まずは正面から、目と目を合わせてコミュニケーシ
ョンをとること」と心構えを伝えた。子どもたちはあいさつや五十音の表現を1字ずつ実演し、聴覚障がいを持つ渡辺さんに「上手」とほめられると、ますます楽しそうに手話に没頭していた。
次回は8月19日。「竹灯ろうをつくろう!」をテーマに開催するが、すでに定員になるほどの注目ぶり。活動は11、12月、来年1月に1回ずつ開催していく予定で、その都度門戸を広く参加を呼び掛けていく。
ニュース