勿来二小(深谷裕之校長、児童147人)の創立150周年を祝う記念行事として、全児童が29日、学校近くの海岸で砂の造形作品を作り上げた。海沿いの学校という立地の良さを再確認し、登校班のメンバーで構成する16チームの親睦を深めることが目的。ウミガメや船、海の城など、砂浜に点在する作品群が海岸を訪れた人を楽しませている。創立150周年記念実行委員会主催。
「行って参ります」。校庭に集まった児童はかけ声を合図に出発した。国道6号沿いのビジネスホテル下川荘勿来店向かいの海岸まで、約2kmを歩いて移動。日差しは強いものの秋風が吹き始めたビーチで、教員や保護者らがバケツで海水をくみ、固めた砂で児童らは作品づくりに励んだ。
全長2、以上ある「ウミガメ」を作り終えた、須賀・障子川班代表の佐藤優樹君(11)は「ヒレの形を整えることが難しかった」とホッとした表情をみせ、「かつてウミガメが産卵しに来ていたというこのきれいな海岸に再びウミガメが来ますように」と願いを込めた。
海岸から約300㍍の距離にある同校は、12年前の東日本大震災の津波で、体育館の近くまで浸水した。児童らは、海岸までの移動中にかさ上げした防潮堤などを見て回り、自分たちの生活圏を守っている海岸施設に理解を深めた。
同校は1873(明治6)年6月15日に創立。150周年の式典は行わず、約30年前まで同校の伝統だった砂の造形活動を記念行事として復活した。行事に合わせ、海岸の清掃活動も行い、地域の環境美化に努める精神も養った。
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