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9月豪雨で被災の好間・長壽院 非住家ゆえの難しさも支援の手で復旧

 今年9月に発生した台風13号による大雨で、浸水被害を受けた好間町北好間の真言宗智山派長壽院(白土智貴住職)。一時は汚泥が溜まって、墓地への立ち入りができないほどだったが、災害発生からおよそ3か月、民間の災害ボランティアの活躍でようやく復旧のめどが立った。白土住職は「り災証明も発行できなかった。檀家さん、民間ボランティアの皆さんの力で何とかここまで復旧しました」と感謝を込めた。
 9月8日に起きた台風による大雨では、目の前の川が越水し、お墓一帯が浸水した。浸水深は最大で高さ約1・2~1・3m。先祖代々の墓石がほとんど水に浸かってしまった。
 しかし、被害に遭ったのが「住まい」ではないため、緊急度が低いとして復旧は後回しに。さらに寺院が宗教法人であることから、公的な支援がほとんど受けられず、作業は近くに住む檀家など限られた人たちが少しずつ行うしかなかった。
 民間ボランティアによる組織的な復旧支援が始まったのは11月初旬から。東日本大震災後のがれき撤去活動を機に、発足したボランティア団体「いわき応援チームEN(えん)」の坂本雅彦さん(好間町)の呼びかけで始まった。計4日間にわたる作業を行い、市内外から延べ50人ほどが参加し、泥のかき出し作業を行った。
 砂利と水分が混じった粘土質の泥はずっしりと重く、土のう袋に入れて運び出す作業で全員汗だく。地元の女性グループ「北二区ババの会」手作りの昼食の提供も受けながら、和気あいあいと作業を進めた。
 1日は作業の最終回となり、神奈川県横浜市在住の夫婦ら県内外から12人が参加した。重機などを使った技術系災害ボランティアネットワーク「DRT JAPAN」の一員として活動する小名浜消防署の署員らも、民間ボランティアとして力を寄せた。泥のかき出しや土のう袋の運搬など力作業を率先して行い、現場を支えた。
 坂本さんらによれば、台風の浸水被害を受けたものの、さまざまな事情で「優先順位が低い」「公的支援を受けられない」として、復旧が後回しになっている被害現場が市内にも何カ所かあるという。

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