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亡き娘の遺志継いで 車椅子「あーちゃん号」5年ぶりに寄贈再開へ

 ジュース缶などに付いているプルタブを集めて、施設へ車椅子を贈ろうと準備していた、久之浜町の故木村麻美さん=当時高校生、享年16=の遺志を継いで活動する「車椅子あーちゃん号を全国に届ける会」に21日、東村山法人会第2支部(東京)からプルタブを換金した1万6千円が届けられた。
 活動は、2001(平成13)年6月12日にガンで亡くなった木村さんの慈善活動を、木村さんの両親らが引き継いだ。木村さんが所属していた剣道部のロッカーに、プルタブが入った市指定のゴミ袋2袋が見つかり、木村さんの友人から経緯を聞いたことがきっかけだった。
 車椅子は木村さんの愛称にちなみ、あーちゃん号と名付けられた。
 これまでに12都県に15台を寄贈。コロナ禍で活動を自粛したが、約5年ぶりに16号を来年1月、(双葉郡広野町の)広野町社会福祉協議会に贈る予定という。東村山法人会第2支部の染矢一真支部長らメンバー15人が親睦会を兼ねて訪れ、スパリゾートハワイアンズで届ける会に寄付金を手渡した。今回の善意は17号の購入資金に充てられる。
 両親によると、プルタブの重さは1個0・5g。買い取り価格に変動はあるものの、1㌔(2千個)当たり100円前後に換金できる。1万6千円は、100円換算で、32万個のプルタブが必要。花柄などを施したアルミ製のあーちゃん号1台の購入価格は10万円以上という。
 両親らが1台目の車椅子を購入できたのは、活動を始めて4年後の2005(平成17)年。2号は翌年だった。1、2号の贈呈先は、木村さんの母美奈子さんの幼なじみで、久之浜町の歌手岬はな江さんが園長を務める障がい者の社会的自立を目指す施設「岬学園かもめパン工房」。活動に賛同した岬さんが届ける会を結成しようと提案し、全国での歌謡ショーで観客に活動を伝え、協力を呼びかけている。
 あーちゃん号の届け先は、木村さんが修学旅行で訪れる予定だった沖縄県など、縁がある地を選定。木村さんの遺志を伝えるため、各地の贈呈式に必ず立ち会うという岬さんは「あーちゃんの思いが全国に届き、協力の輪が広がっている。47都道府県にあーちゃん号を贈呈するまで活動を続けたい」とさらなる協力を呼び掛けている。

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