小名浜のふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、今年の干支(えと)「辰」にちなんだ生き物や、おめでたい名前がついた生き物を展示し、来館者たちの注目を集めている。
縁起物のイセエビ、恵比寿(えびす)様の名前が付いたエビスタイなど存在感を放っているが、中でも注目は「タツノオトシゴ(龍の落とし子)」仲間のポットベリーシーホース。飼育担当の〝すばる君〟こと城倉昴さん(23)によると、南太平洋からオーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピンにかけて分布し、海藻のある沿岸付近に生息する。
南国などにすむことから生息域の海水温も高いかと思いきや、「いや15度ぐらいですね」。生態も興味深く、オスは育児嚢(のう)という袋の中で卵が幼魚になるまで世話をする、元祖イクメン=今や死語=だ。
タツノオトシゴの仲間の中では大型になるため、別名は「ビックベリーシーホース」。城倉さんは「滝を登ったコイが龍になるという伝説は有名。意外と身近にある生き物と龍(辰)とのつながりを展示を通してみていただければ」と語り、来館者にとって、登り龍のような輝かしい1年となることを願っていた。
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