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小名浜諏訪神社で文化財防火デー訓練 水幕ホースで本番さながらに
第70回文化財防火デーに合わせ、小名浜消防署(井上雅樹署長)の防災訓練が28日、小名浜鎮守諏訪神社で行われた。末社の人形六社神社本殿が市指定有形文化財(建造物)で、遷宮や修繕について示す棟札3枚も関連する史料として、附(つけたり)指定を受けており、防災訓練は初。
訓練は、小名浜諏訪神社北側の山林から出火し、境内の建物に延焼する恐れがある――との想定で実施された。同署と同神社に加え、市消防団第2支団から約30人が参加し、本番さながらに真剣な表情で取り組んだ。
小名川祐輝宮司による初期消火と119番通報に続き、駆け付けた署員と団員が連携し、山林に向けて放水したほか、水幕ホースを使って燃え広がるのを防いだ。
終了後に井上署長が講評に立ち、「迅速な活動で、非常に有意義だった。正月の能登半島地震のように、災害はいつ起きるか分からず、また市内では不審火も相次いだ。今後も実践的な訓練を続けてほしい」と呼びかけた。
小名川宮司も「神社は後世に向け、日本の文化や歴史をつないでいく大切な場所。皆さんと協力し、これからも守っていきたい」と語った。
文化財防火デーは1949(昭和24)年1月26日、奈良・法隆寺の金堂が炎上し、壁画が焼損したことをきっかけに制定された。市消防本部では各地の文化財で査察や訓練を展開している。