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<震災13年>災禍の記憶おぼろげも 高校生が音楽通じて当時と向き合う

 東日本大震災から13年。幼くして震災を体験した現在の10代後半の記憶は、おぼろげである。その彼ら彼女たちが〝心の復興〟とされた音楽を通じ、震災と向き合いながら世代間交流を行っている。
 7日に太平洋を望む、いわき新舞子ハイツで市内外の高校吹奏楽部員が参加した「いわき金管合宿in新舞子」成果発表コンサートが開かれた。この行事は、県いわき地方振興局の中山間地域宿泊交流拠点施設支援事業の一環として、今年で2回目。昨年も合宿を兼ね「田人おふくろの宿」を会場にしたが、今年1月から一時営業休止などのため同ハイツで代替開催とした。
 実施には、施設活用を主体に県立高校入試の期間中、校内立ち入りが出来ず、練習場所の確保に頭を悩ませる生徒のために合宿を伴った会場提供が図られた。コンサート前日の6日から本年度6回目の「いわき吹奏楽合宿」が始まり、磐城7人、いわき光洋6人、須賀川桐陽4人に加え、講師陣に石井直樹さん(元中学校音楽科教諭)、五十嵐直弘さん(同振興局復興支援・地域連携室主任主査)、川上龍さん(愛知県立芸術大音楽学部トロンボーン専攻4年・磐城高卒)、小林麻紀さん(ピアノ講師)が指導に当たった。
 このうち、昨年から生徒のサポートに携わる五十嵐さんは、12歳から始めたトロンボーンを現在まで続け、アンサンブル団体に所属し、活動を行っている。生徒に接する中で「音楽の力は精神、心の復興につながる。東日本大震災、令和元年台風、昨年の台風13号の豪雨被害に見舞われたが、こんな時こそ演奏すべきと思う」と話す。
 コンサート当日、生徒たちは五十嵐さんとともに入念な音合わせを済ませたあと本番に臨んだ。訪れた保護者らを前に須賀川桐陽、いわき光洋、磐城が順に重厚な音色を響かせた。
 各校の部員同士が混合し、トロンボーン&チューバ4重奏、ホルン5重奏、金管5重奏、ユーフォニアム4重奏と続き、全員合奏曲として石井さんの指揮のもと、イギリスのフィリップ・スパークが被災者を勇気づけるために作曲した「陽はまた昇る」の17重奏でフィナーレを飾った。
 次に生徒が震災と向き合う場所は11日、イオンモールいわき小名浜で行われる「3・11ふくしま追悼復興記念行事キャンドルナイト」。午後6時過ぎから、参加有志が追悼コンサートに臨む。
 (写真:磐城、いわき光洋、須賀川桐陽高の3校生徒の合同演奏)

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