ＮＨＫ交響楽団の魅力発信「いわきアンバサダー」 本年度は植田町出身・黒金さん

　日本を代表するオーケストラ「ＮＨＫ交響楽団」（Ｎ響）のメンバーが、いわき市のさまざまな場所に出向いて演奏することで、広く芸術活動に触れてもらうための「ＮＨＫ交響楽団いわきアンバサダー」に、本年度はバストロンボーン奏者・黒金寛行さん（植田町出身）が就いた。
　初回の企画として、１３日にまこと幼稚園（常磐湯本町）で、園児・保護者向けと市民を対象にしたコンサートを開催するほか、１４日には旅館こいと「バル・ワンパーセンター」（同）でミニライブ＆交流会を開く。
　Ｎ響は２００９（平成２１）年から、いわき芸術文化交流館「アリオス」で定期演奏会を実施しており、市内の小・中学校などに音楽家を派遣する「おでかけアリオス」にも協力。来年２月２日には、いわきアリオスで第１２回定期演奏会を予定している。
　アンバサダーは英語で「大使」を意味し、２０２２（令和４）年度からレジデントシリーズと題して、演奏会や音楽にまつわる講話を展開。いわきアリオスによると、約３０回で延べ約２千人が参加した。さらにＮ響のメンバーとして、市外でいわき市の魅力を発信する役割も担っている。
　１３日の市民対象コンサートは午後６時から。事前予約制。希望者はアリオスチケットセンター＝電話（２２）５８００＝まで。１４日のミニライブ＆交流会は午後１時から。予約不要。いずれも入場無料。
　黒金さんは植田中、磐城高を経て、東京芸術大を首席で卒業。同大在学中からＮ響に加わり、２００９年からメンバーに。国内外で演奏機会を有する傍ら、後進の育成に励んでおり、いわき市でも１泊２日にわたる「いわきトロンボーンキャンプ」を継続している。
　両日とも黒金さんに加え、昨年度アンバサダーのフルート奏者・梶川真歩さんと、ピアノ奏者・居福健太郎さんによるトリオで送る。
　本年度のアンバサダー就任にあたり、黒金さんは「Ｎ響は毎年いわきで定期演奏会を行ってきましたが、より地元の方とのつながりが持てることが楽しみです」と述べ、たくさんの人の来場を心待ちにしていると語
った。
　（写真：本年度のアンバサダーに就いた黒金さん）