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好間「松坂つり橋」架かる 東日本台風で流失 再建求める住民の声届く

 2019(令和元)年10月の東日本台風で流失し、再建が図られた好間町の「松坂つり橋」の完成祝賀会が29日、同町の上好間団地集会所で開かれた。
 松坂つり橋は好間川に架かる歩行者用で、古河好間炭鉱・隅田川炭鉱に通う住民のために作られたとされ、現在も対岸の集落を結ぶ生活道路として機能。子どもたちの通学路にも使われてきた。しかし5年前の水害で流されてしまい、地域住民が市に一日も早い再建を求め、ようやく4月から新たな橋の供用を開始した。
 松坂つり橋は地域で長年にわたって親しまれ、赤色の穏やかなたたずまいは好間郵便局の風景印にも採用されたほど。対岸には好間一小や好間高、スーパーマーケット、医療機関があるため、生活道路として欠かせなかったが、流失に伴い交通量の多い旧国道49号まで大回りを余儀なくされ、安全面での問題も懸念されていた。
 新たな松坂つり橋は長さ53m、幅2mで、以前の橋と同じく赤色が目を引く。川向こうに住む堰口千恵子さん(83)は「散歩ついでに、つり橋をわたって買い物に行っていた。歩くとどうしても遠回りになるので、再び便利になってうれしい」と笑顔で語る。市好間地区文化協会長などの要職に就きながら、好間公民館で三味線を教えており、つり橋に対する愛着は人一倍という。
 かつての橋にも思い出が深く、俳優の火野正平さんが自転車で全国を回る番組として、NHKBSの「にっぽん縦断 こころ旅」で訪れたことも自慢だ。好間川では水害を受け、いまも工事が進んでいる。「昔と違って子どもの数も減ったが、ここはサケもそ上する美しい川。松坂つり橋とともに、変わらず地域が歩んでほしい」とほほえんだ。
 つり橋の完成祝賀会には地域住民や市、地元関係者ら約30人が出席し、生活を支える橋が再び作られたことを喜び合った。
 (写真:松坂つり橋の完成を喜ぶ堰口さん)

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