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高校野球いわき選手権 磐城農は3校連合にサヨナラ「勝った後どうすれば」と笑顔
いわき民報社白鷲旗争奪「第65回いわき地区高校野球選手権大会」(県高野連いわき支部主催)は南部スタジアムで開幕した初日の7日、1回戦の残り2試合が実施された。
大会は9日と10日に、会場をヨークいわきスタジアムに移して、2回戦2試合ずつを行う。9日の第2試合では大会連覇を狙う磐城と、初戦突破で勢いに乗る東日大昌平という優勝候補同士が直接対決する。
また試合前には優勝旗返還とレプリカ贈呈のセレモニーが、試合終了にはグラウンドいっぱいを使ってちびっ子向けに「野球遊び」が開かれる。
◇1回戦・第2試合(南部スタジアム)磐城農6X-5いわき総合・平商・相馬農◇同・第3試合(同)平工8-2勿来工
<磐城農-いわき総合・平商・相馬農の試合より>
○…逆転に次ぐ逆転の白熱した試合は、好機に長打を集めた磐城農がサヨナラで締めくくった。3点を追う磐城農は、九回1死から大川原と鈴木の長短打で1点を返すと、四球を挟んで新井の内野ゴロの間に鈴木が生還。さらに渡辺が右中間を破る三塁打を放って同点に追いついた。磐城農の勢いは止まらず、続く金成が二塁手と右翼手の間にしぶとく落とす安打で渡辺がかえり、サヨナラ勝ちした。
○…ゲームセットのあと、磐城農ナインは〝定位置〟のベンチ前ではなく、勝者にだけ許されるホームベース付近に整列して校歌を聞いた。高校の校歌にしては珍しい明るくアップテンポのメロディー。冗談か、本気か「お前、校歌を歌えたか?」「勝ったあと、どうすればいいのかわんなかった」と選手たち。それは無理もないことだった。
○…この試合、先発投手として5イニングを無四球の1失点と好投し、六回からは捕手としてナインを鼓舞。打っては四番打者として同点三塁打を放ち、自らサヨナラのホームを駆け抜けた主将の渡辺雄平(3年)は1年生の夏から四番・捕手の中心選手だった。だが、入学してから公式戦で1度も勝ったことがない。それもコールド負けばかり。
○…しかしこの日のナインは違った。八、九回と2度の満塁のピンチ。今までなら浮足立って自滅、コールドになりかねない展開を0点で切り抜けた。「みんな要所要所で頑張った。次は格上(いわき光洋)だが、自分たちができることを試合で見せたい」と前向きだった。
(写真:勝利をたたえる校歌を歌う磐城農ナイン)