市観光物産センター(代表取締役社長・下山田松人副市長)は早ければ年度内にも、運営する小名浜の観光施設「いわき・ら・ら・ミュウ」を、「道の駅」として申請する方針を固めた。同センターは市が出資する第3セクターのため、国土交通省による正式な登録を受ければ、県内初の民設民営の道の駅となる。
道の駅を目指した背景には、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、地域志向を強めた点が挙げられる。観光需要が回復したことで、地元の魅力をより発信しようと、「常磐もの」に代表される水産物をメインに、農産品の販売に力を入れる考えだ。
施設主体のプライベートブランドの創出や、新たなテナント誘致も想定。これまで関係機関を交えた勉強会を済ませ、指定にあたっての精査を進めている。
ら・ら・ミュウは1997(平成9)年7月、小名浜港1号ふ頭にオープンした。現在はふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」や、イオンモールいわき小名浜が隣接するほか、周辺のアクアマリンパークではいわきサンシャインマラソンや、いわき大物産展が開催され、年間通して県内外から観光客が訪れている。
また小名浜港と常磐道を結ぶふくしま復興再生道路「小名浜道路」が、来年度末までの開通を予定しており、さらなる活性化が期待されている。
いわき市では2009年12月、四倉町の国道6号沿いに「道の駅よつくら港」が開業した。道の駅は地域振興とドライバーの休憩場所を兼ねており、国土交通省によると、今年2月現在、全国で1213カ所が登録されている。県内には35カ所あり、近年では道の駅そのものが観光の目的地ともなっている。
同センターによると、施設の大部分は道の駅の要件を満たしており、トイレや駐車場の24時間利用可に合わせ、老朽化した部分の修繕に加え、子育て世代や障がい者に配慮した改修を計画する。これに伴う休業はないという。
担当者は「コロナ禍からの再生や、東京電力福島第一原発の処理水を巡る風評対策のため、いままで以上に地域のために役割を発揮する存在となりたい」と話している。
内田市長、赤津俊一市観光文化スポーツ部長が22日、市議会7月定例会の席上、馬上卓也議員(一誠会)の一般質問に対し、今後の取り組みを明らかにした。
(写真:道の駅に申請する方針の「いわき・ら・ら・ミュウ」)
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