いわきの秋の味覚「サンシャインいわき梨(なし)」の市場出荷を前に、小川町西小川のJA福島さくらいわき梨選果場は9日、操業を開始した。
今年は中国での梨の病害「火傷病」の影響で輸入花粉の停止など対応に追われたが、3月から高温が続いたことで、発芽や開花が早まったほか、カメムシやダニ類の対策も施したことで、順調に成育した。降雨量が少なかったために実は小ぶりで、果肉は若干固いものの、甘さは申し分ないという。
市内の栽培農家では幸水、豊水、涼豊、あきづき、新高の5種類を生産しており、本年度は合わせて約400tの取り扱いを計画。これら5種類を順に10月中旬まで出荷し、ベトナムへの輸出も視野に入れている。
梨選果場では関係者約60人による操業開始式が行われたあと、従業員たちはベルトコンベヤーを流れる梨を手に取りながら大きさを選別し、透過式光センサーで糖度や熟度かを調べながら、順次箱詰めした。
これらの梨は、市中央卸売市場の卸売業者「平果」に運ばれ、早ければ10日から、市内のスーパー、青果店などに幸水が並ぶという。
梨選果場運営委員会の運営委員長を務める、JAのいわき梨部・渡辺一男会長は「やや小ぶりだが、出来具合は上等。甘味が逃げないよう皮ごと冷蔵庫に入れて、小さく切りながら食べてほしい」と話し、1個でも多くの〝サンシャインいわき梨〟が家庭に届くことを願った。
(写真:一つ一つ吟味される梨)
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