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岸田首相 海洋放出1年で県漁連・野﨑会長と面会 裏金事件伴う車座対話にも出席

 岸田首相は24日、東京電力福島第一原発の汚染水を浄化した処理水を巡り、海洋放出から1年を迎えたのに合わせて小名浜魚市場を訪れ、県漁業協組合連合会(県漁連)の野﨑哲会長と面会した。首相の来市は昨年4月以来となる。
 午後0時20分に小名浜魚市場に到着して車から降りると、野﨑会長に「お暑い中、ありがとうございます」と言葉をかけ、握手を交わした。隣接する市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」の駐車場には、来市を聞きつけた市民らが詰め掛け、「岸田首相」と声をかけられると笑顔で応じた。
 小名浜魚市場では放射性物質の検査体制を確認したほか、地元で水揚げされたカツオの刺身、メヒカリの唐揚げとにぎり、ウニの貝焼き、イセエビの刺身を試食。野﨑会長との面会は冒頭のあいさつを除いて非公開で行われ、約20分にわたって意見交換した。
 岸田首相は記者団の取材に対し、「風評被害にも負けない『常磐もの』の質の高さ、そしておいしさを実感した」と明かし、原発処理水の海洋放出について改めて政府が全責任を持つと強調。中国の禁輸措置に関しては「科学的根拠に基づかず、極めて遺憾なこと。即時撤廃を強く求めていくとともに、科学に基づく専門家同士の対話もしっかりと進める」と述べた。
 また漁獲対象魚種の複合化に向け、漁船・養殖施設の導入支援の拡充や、漁業共済制度の拡充のための法改正に取り組むと説明し、水産振興に関する新たな支援制度を創設する方針を明らかにした。 
 野﨑会長は、変わらず海洋放出に反対の姿勢を示した上で、「1回1回緊張感を持って海洋放出に臨んでほしい。海洋放出が終わったときに福島で漁業が存続していて初めて納得できる」と呼びかけた。
 続いて鹿島町のパレスいわやで、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、地方組織と向き合う「政治刷新車座対話」に出席した岸田首相。党県連幹部を前に、9月の総裁選不出馬を表明した中で、在任中最後までこの問題の解決に努力すると約束した。
 ※24日付本紙より加筆しています。
 (写真:政治刷新車座対話に出席した岸田首相)

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