総合物流業の磐栄ホールディングス=HD=(泉町下川、村田裕之代表取締役)は子会社「BHCフードサービス」を設立し、新たに飲食事業に進出した。
BHCフードサービスは飲食店の経営・企画や、外食事業を展開し、小名浜の「いわきと創作らぁ麺やま鳶」をグループ傘下に収め、やま鳶の店主・長谷川修太氏が就任した。12月1日からやま鳶はリニューアルし、メニューを一新するほか、飲食事業としては来夏にも新規店舗をオープンする計画だ。
2017(平成29)年7月に開業したやま鳶。「ヒトがお店を創り、お店がマチを創る」を理念に掲げ、いわき市の水産物「常磐もの」を使ったラーメン作りにも展開。県内のラーメン店を紹介する専門誌で今年は6年ぶりに金賞に輝いており、県内外に根強いファンが多い。21(令和3)年12月に現在地に移転した。
ラーメンに、磐栄HDが持つ農業生産法人のレタスを採用する縁はあったが、今年9月に本格的な話し合いが持たれ、将来的な海外進出を含め意見が一致。1日付で、BHCフードサービスが立ち上がった。
磐栄HDのグループ企業は67社あり、うち4割は非物流と常に挑戦を続けている。日本酒の「諏訪御湖鶴酒造場」や、クラフトビールの「ホップジャパン」も有しており、村田社長は「食を取り巻く環境は持っていたが、初めて飲食の世界に入っていく」と決意を示す。
やま鳶は新たなスタートを切るにあたり、麺の量やスープの量を従来の1・5倍の量に増やし、来店者の満足度を高めるほか、12月1日から濃厚味噌ラーメンを始める。これまで以上に食べ応えのあるラーメンを展開し、新規顧客の獲得も目指す。開発に際しては、磐栄HDの関係者から〝ラーメン通〟が辛口で審査したとあって、自信を持って送り出せるという。
長谷川氏は「街の小さなラーメン屋が、こうした大きな磐栄HDと手を組むことで、自分の得意な分野によって地域の皆さんを喜ばせたい」と話す。従来の県産品を活用した商品にも取り組む考えで、日本酒やクラフトビールとのペアリングを楽しめるメニューも検討する。営業時間は午前10時から午後6時。火曜定休。
(写真:タッグを組んだ村田社長=中央=と長谷川氏=前列右=ら)
ニュース