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今年の流行魚大賞は「オオグチボヤ」 生きた姿珍しい深海生物 アクアマリン
ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」が募集していた、今年最も話題性の高い生き物を決める「流行魚大賞2024」で、〝妖怪のような〟透明な体と大きな口が話題の海鞘(ホヤ)の仲間「オオグチボヤ」が341票を獲得し、大賞を受賞した。
今年は、4月1日~9月30日に同館が公式インスタグラムに投稿した生きものの中から、〝いいね〟の数が多かったオオグチボヤのほか、マダコ、タカアシガニ、ホテイウオなど10種がノミネート。11月2~17日の期間中、館内に設置した10種の写真パネルに貼られた投票シール2341票を集計した結果、親潮アイスボックスに展示中のオオグチボヤが最も多く票を集めた。
同種は水深300~1000mに生息し、大きさは10~20cm程度。潮の流れに向かって大きく口を空けてエサを食べる姿が特徴的で、海底の岩盤や沈木に付着して生活しているため、生きたままの採集は難しいという。公式SNSには「見に行きたい」「真夏にふさわしい不思議生物」「宇宙っぽい」などのコメントが寄せられている。
飼育を担当している展示第1グループリーダー松崎浩二さんによると、展示しているのは北海道・知床の深海800m付近で採取した個体で、「手のひらサイズで、動かず、常にあやしい微笑を浮かべているオオグチボヤですが、マニアックな皆さんに対象に選んでいただきありがとうございます」と喜びの声。「長期飼育が難しいので、透明感のある不思議な深海生物をぜひご覧ください」と早めの来館を呼び掛けている。
2位はヨリトフグ(312票)、3位はマダコ(293票)で、以下カラスエイ(292票)、タカアシガニ(280票)、ホテイウオ(244票)、ファイヤースパイニーイール(184票)、センジュナマコ(155票)、ケムシカジカ(143票)、コモンカスベ(97票)と続いた。
同館では記念として、12月15日午前9時から、同館と交流の深い〝さかな系〟イラストレーターの友永たろさんがデザインしたオオグチボヤのステッカーを先着200人にプレゼントする。
(写真:大賞を受賞したオオグチボヤ)