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いわき市制施行60周年で市歌見直し検討も アンケート踏まえ現状維持の方向へ
♪~若いまち いわき 伸びてゆく いわき――。市民になじみ深い「いわき市歌」は、歌詞が時代にそぐわないとの指摘が繰り返されてきた。特に2番にはいわき市の象徴として「炭鉱(やま)」が登場するが、すでに過去のできごととなっている。
市では2026(令和8)年の市制施行60周年事業に向け、市民の声を踏まえた上で見直しを検討したが、「見直す必要がない」が54%、「どちらでも良い」が30%、「見直した方がよい」が16%で、内田市長は24日の定例記者会見で「結果を重く受け止め、現時点では大きく変える方向にはならないと考える」と語った。
いわき市は1966(昭和41)年10月、5市4町5村が合併して誕生した。市歌を巡っては歌詞・曲とも一般公募が行われ、作詞は制作会社に勤務していた東京都練馬区の乗田まさみ氏、作曲は現在では世界を代表する指揮者で、当時は東京芸術大在学中だった小林研一郎氏(小名浜出身)が選ばれた。
市によると、歌詞には360件、曲には427件が寄せられた。それぞれカエルの詩人で知られる小川町出身・草野心平と、心平が推薦した作曲家の渡辺浦人が補作。市制施行1年を記念し、67年11月に旧平市民会館でお披露目された。
市制施行60周年に対してのアンケートは、今年8月~10月にウェブを通じて行われた。回答者数は928人。年代別では40代、50代が最も多い45%で、次いで20代、30代が30%、60代、70代が15%。全体の87%が市内在住、3%が市内通勤・通学だった。
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アンケートでは市民憲章についても聞き取りし、「見直す必要がない」が46%、「どちらでも良い」が41%で、市歌と同じく見直しを求める意見は2割以下であることが分かった。
市民憲章は市制施行10周年の76年に作られた。出だしの「日本一広い面積をもち」の部分は、03年4月に静岡県静岡市と清水市が合併した新・静岡市によって満たさなくなり、国土地理院によると、全国の市町村で16番目(今年10月現在)にまで下がっている。
市制施行60周年の記念事業の是非などもアンケート調査しており、「費用をかけずに実施」と「これまで同規模実施」が合わせて67%、市に希望する取り組みには「まちづくり意見発信」「若者プレゼン」が上位に付けている。
キャッチコピーとロゴマークの作成は6割が支持し、これら意見を基に具体化していく。
(写真:アンケートの結果を報告する内田市長)