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写真はイベント・撮影地で検索可 いわき市の津波遺留品 最後の展示・返還始まる
東日本大震災による津波で家屋などから流出し、持ち主不明となっている写真やアルバム、バッグ、位牌といった「思い出の品」(津波遺留品)の展示・返還事業は10日、薄磯三丁目のいわき震災伝承みらい館で始まった。2月28日まで。
市は震災から14年の節目を控え、引き取り手が減少していることに加え、思い出の品が劣化している現状を踏まえ、今回の展示・返還事業をもって処分することを決めている。
会場には持ち主不明となっている写真やアルバム、バッグ、位牌が展示されている。専用のタブレットでデータベース検索できるほか、カタログ化したものを閲覧可。返還の際には、運転免許証などの本人確認を必要とする。
事業終了後も残った品は、3月11日に平薄磯の修徳院でお焚(た)き上げする。思い出の品は約5千点で、アルバムに貼ってある写真は2万2千枚あまり。写真は可能な限りデータで保存し、引き続き提供できる体制を整える。
箱﨑智之副館長は「新たに写真は、七五三、結婚式などのイベントごとや、撮影地と思われる場所別にも分類した。震災から14年近く経ち、記憶があいまいかも知れないが、ぜひ足を運んでほしい」と話している。
午前9時~午後4時半。休館日は月曜日(祝日の場合は次の平日)。問い合わせは同館=電話(38)4894=まで。
(写真:いわき震災伝承みらい館で始まった最後の展示・返還事業)