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いわき市勿来関文学歴史館 民間移譲・廃止を前提とした議論行わない

 いわき市では公共施設を適正に維持するための「個別施設計画」を策定し、市内1281カ所(昨年4月1日現在)がどれだけ必要かを探っている。
 文化施設の統廃合も取りざたされている中で、勿来町関田の「市勿来関文学歴史館」を巡っては「あり方見直し」と示され、2026(令和8)年度までに今後についての検討を行う方針だが、市は「民間移譲や廃止を前提とした議論は行わない。市の施設として維持することも念頭に置く」との考えを示した。
 ただ老朽化や利用者数の減少といった問題は避けられず、現状では予算を付けることもできないため、市と地元関係者は話し合いを重ねていく。
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 「常設展示がまるでお化け屋敷のような雰囲気」「県をまたぎ、勿来関文学歴史館と茨城県天心記念五浦美術館(茨城県北茨城市)で連携できないか」
 4日夜に錦町の勿来市民会館で、奥州三関のひとつ「勿来の関」を軸にし、地域振興を考える「勿来地区〝民・官〟協働勉強会」が開かれ、勿来地区の代表者から、勿来関文学歴史館に対してこうした意見が上がった。勉強会には市、県の担当者を含む30人が出席した。
 同館は1987(昭和62)年7月にオープンし、2001(平成13)年3月にリニューアルした。鉄筋コンクリート2階建てで、2つの常設展示室と、企画展示室、市民ギャラリーを有する。公募による指定管理者制度を導入し、市教育文化事業団が運営している。
 開館当初は年間8万人近い利用者があったが、昨年度は8800人にとどまっている。収支不均衡の観点から、民間への移譲や廃止等でコスト削減をする計画が出されていた。実際に昨年度は収入が123万6千円に対し、支出が3818万4千円と著しい赤字となっている。
 しかし4日夜の勉強会の席上、赤津俊一市観光文化スポーツ部長が地域との意見交換にあたり、必ずしもそうではないと述べた。 
 市観光振興課では今後を検討する視点として、勿来の関に関する研究成果を生かしたり、常磐3市(いわき市、茨城県北茨城市、高萩市)の枠組みで周遊性を高めて観光交流人口の拡大を図ったりする案を伝えた。
 さらに復興サイクリングロード「いわき七浜海道」を含め、浜通りの約200㌔にわたる区間を対象とし、来年3月までに日本を代表する自転車道「ナショナルサイクルルート」に指定される動きに合わせ、隣接する勿来の関公園や、園内の体験学習施設「吹風殿」を含め、起終点としての利活用を提案する。
 (写真:勿来関文学歴史館をテーマにした勉強会)

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