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カップさばく「スポーツスタッキング」 植田の吉野君 9~10歳部門で全国3位
カップを山の形に積み上げて崩す速さを競う「スポーツスタッキング」。植田町の吉野晃太朗君(9)は全国大会に当たるミニジャパンオープンに出場し、競技を始めて9カ月ながら、9~10歳のクラスで3位に輝いた。吉野君は「将来は日本代表になりたい」と胸を張り、練習に磨きをかけている。
競技団体によると、スポーツスタッキングは12個のプラスチック製のカップを用い、1985年ごろに米国の子どもたちが紙コップで遊んだことが起源。現在では54カ国で楽しまれており、日本では2005年ごろから普及し、競技人口は約1万人とされる。
年齢や性別、障がいの有無を問わずに取り組めることから、さまざまな教育現場や地域活動にも導入されており、インクルーシブ(包摂的)なスポーツとして注目を集めている。
吉野君は2月に東京・国立青少年オリンピックセンターで開催された「ミニジャパンオープン2025」で、9個のカップによる「3―3―3」と12個のカップによる「3―6―3」、3つの複雑な動きを組み合わせる「サイクルスタック」に挑戦。「3―3―3」は2秒446、「3―6―3」は3秒383、サイクルスタックは9秒264と、合計15秒093のタイムを出した。
初の大舞台について、「最初は緊張したが、少しずつほぐれていった」と吉野君。海外から同じ世代の仲間も参加しており、交流を深められたと笑顔を見せる。特に難しいのはサイクルスタックで、最後のパートの真ん中を10個にしたパターンに苦戦しがちだが、「カップをとる順番を間違えないよう丁寧に挑んだ」と振り返った。
いわき市でもスポーツスタッキングの振興向けた動きが進んでおり、植田公民館では昨年3月と今年3月、スポーツスタッキング日本代表兼ナショナルコーチの瀬尾剛さん(36)を講師に招き、未経験者でも丁寧に教える教室を催した。
浅尾さんは吉野君にとっても目指すべき存在であり、その技術を会得しようと励む。吉野君の次の目標は6月のジャパンオープン。「東北には自分よりもうまい選手がいるので、これからも一生懸命練習します。まずは自己ベストを記録したい」と力強く語った。植田から日本代表が生まれる日も近いかもしれない。
(写真:ミニジャパンオープンのメダルを見せる吉野君)