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いわき総合図書館に13年連続で礼状 国立国会図書館の調べものサポートで
図書館の資料を用いて調べものをサポートする「レファレンス協同データベース事業」を巡り、いわき総合図書館は特に貢献が著しいとして、13年連続で国立国会図書館長から礼状を受けた。
同事業に参加する全国943館のうち、今回は78館が対象となり、東北地方ではいわき総合図書館を含む4館のみが該当した。インターネットによる検索が一般化した中でも、デジタルにはない情報を活用し、多くの人の探求心に応える姿勢が評価されている。
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レファレンス協同データベース事業は、国立国会図書館が、全国の図書館などと協同で構築しており、調査・回答した事例を登録。広くインターネットで公開されている。
いわき総合図書館は2024(令和6)年の1年間で、年間データ登録点数(選定基準200点以上)が209点、年間データアクセス数(同125万件以上)が156万2343件と、2つの項目で満たして礼状授与が決まった。
今回の登録事例としては、「いわき市で出土した「天冠埴輪」が、国立博物館の特別展に展示されていると聞きました。埴輪の全体が写っているカラー写真はありますか?」に対しては、『いわき市の文化財』や、発掘した磐城高の記念誌を紹介した。
また「『御斎所(ごさいしょ)』の地名由来が知りたい」では、旧田人村小史や石城山岳会の書籍を通じ、平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂が戦勝祝に紀州の熊野権現を分詞したいわれを案内している。
ただいずれも答えを直接教えることはしない。あくまで質問に沿った書籍等を伝えることで、調査の支援に当たることに特化している。さらに断片的な相談から、職員の知識を基に1冊の本を探し出すこともある。
同館では5階とホームページに「地域資料パスファインダー」を設け、調べ物の助けとしている。情報資料係の鈴木詩織さんは「図書館の資料を通じ、市民をはじめとする皆さんを支えていきたい。ぜひこれからも多くの方に利用してほしい」と笑顔で語った。
詳しくは<こちら>まで。
(写真:国立国会図書館長から授与された礼状)