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「小名浜道路」8月7日開通決定 物流円滑化、観光振興などに期待
東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興を支える県の「ふくしま復興再生道路」として、小名浜港と常磐道を結ぶ自動車専用道路「小名浜道路」が8月7日に開通することが決まった。
内堀知事が21日、定例記者会見で明らかにした。小名浜道路の開通に伴い、小名浜港から常磐道までの時間は13分となり、いわき湯本IC(インターチェンジ)、またはいわき勿来ICを利用する場合と比較して、どちらも時間は半分以下になる。
小名浜道路は泉町を起点に、添野町を経由して山田町に至る全長8・3kmの区間で、2012(平成24)年10月に構想を発表。16年11月から本格的な工事が始まった。いわき泉(泉町下川)、いわき添野(石塚町餅田)、常磐道と接続するいわき小名浜(山田町長沢)、いわき山田(同町塙)の4つのICを設置する。
開通時刻は午後3時の予定。普通車の通常料金は常磐道いわき小名浜IC―いわき中央IC間が480円、いわき小名浜IC―三郷IC間が3440円。
内堀知事は小名浜道路の開通によって、所要時間の短縮に加え、小名浜地区へのアクセス向上や物流の円滑化、広域的な観光振興、大規模災害時の緊急輸送の確保に貢献すると指摘。「こういった基幹道路ができ上がることで、ヒト・モノの流れが変わっていき、福島県全体の復興と地方創生に大いに役立つ」と語った。
総事業費は約730億円。完成後は1日当たり約1万4千台の通行が見込まれている。
内田市長は「いよいよ開通の日を迎えますことは大変喜ばしく、ご尽力をいただいた県をはじめ、関係する皆さま方に深く感謝申し上げます」とコメントした。
その上で「開通により、小名浜と常磐道間のアクセス時間が短縮され、交流人口の拡大や物流面の強化、さらには市民生活の利便性向上など、多くの効果を発揮するものと確信しています」と期待感をにじませた。
いわき商工会議所の小野栄重会頭は「待ちに待った朗報。小名浜道路が常磐道と直結することで物流、観光面などいわき市に計り知れない経済効果をもたらすものと歓迎したい」と述べた。
さらに「小名浜、泉が近くなり、将来的には専用道路を軸に、環状線とクロスできる公共交通網の発達に期待したい」と話している。
(写真:常磐道から小名浜道路に向かうランプ=一部を加工しています)