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いわき市アンモナイトセンター 体験発掘の化石から県内初産出見つかる
大久町の市アンモナイトセンターの体験発掘場で来場者らが見つけたアンモナイトのなかに、福島県初産出となる種類が含まれていたことが分かった。
2022(令和4)年に日本古生物学会例会で、発見が報告されていた異常巻きのアンモナイト「エゾセラス・エレガンス」2点と、「シュードオキシベロセラス」属の1種1点の計2種3点。
北海道の恐竜時代の地層で発見された種との共通性が高いといい、深田地質研究所(東京都文京区)の村宮悠介、相場大佑研究員をはじめ専門家7人による共同研究の成果が同学会の専門誌に掲載され、会津若松市の県立博物館が発表した。
同センターが立地する双葉層群足沢層は、中生代白亜紀後期チューロニアン~中期コニアシアン(約9140万年前~約8800万年前)のものとされ、これまでも貴重なアンモナイトが数多く見つかっている。
2020~21年にかけ、茨城大の地質、古生物学専門家の安藤寿男教授(現・名誉教授)が、学生とともに同センターを訪れたことをきっかけに研究が始まったという。
論文では、双葉層群のアンモナイトは北方(北西太平洋区)と南方(テチス区)の特有種が混じり合っており、いわき地方と北海道の恐竜時代の地層において共通性が高いことが示された。
同センターの歌川史哲研究員(38)は「県内初の『シュードオキシベロセラス』は、一部分しか見つかっていないために種の特定には至らなかった。今後の体験発掘で見つかる可能性もあり、一般参加のお客さまと協力しながら恐竜時代の謎を解明していきたい」と語った。
同センターでは現在、県内初産出の「エゾセラス・エレガンス」をはじめ、研究対象となった化石のうち3種類7点を展示している。
(写真:エゾセラス・エレガンス=右、シュードオキシベロセラスの化石)