市水道局が発注した平下平窪の配水管改良工事の入札を巡る官製談合事件で、県警が複数の市職員から任意で事情を聴いていることが20日、捜査関係者への取材で明らかとなった。
この事件では地元業者に設計金額などを漏らしたとして、市水道局工務課技術主任の真山佳幸容疑者(34)=泉ケ丘二丁目=が、県警捜査2課といわき中央署に官製談合防止法違反の疑いで逮捕されているが、他にも関与した職員がいないかを慎重に調べている。
問題となった工事の入札は昨年1月に行われ、予定価格を算出するための積算に誤りがあったにもかかわらず、大松興産(小名浜定西)が最低制限価格と同じ金額で落札した。
真山容疑者が価格設定を担っていたことが分かっており、漏えいした情報を基に落札した側として、同社社長の松原文司容疑者(74)=小名浜定西=と、取締役の松原文隆容疑者(48)=同=が、公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕されている。
捜査関係者によると、真山容疑者は私用の携帯電話で文隆容疑者、文司容疑者と連絡を取り合っていたという。平下平窪の配水管改良工事以外でも、同社が最低制限価格で落札している公共工事が複数あるため、さらなる不正や真山容疑者と金銭等のやり取りがなかったかについても追及していく。
県警は20日、真山容疑者と文隆容疑者を福島署、文司容疑者を福島北署から、それぞれの容疑で身柄を福島地検に送致し、本格的な取り調べに入った。なお3人の認否に関しては、捜査に支障をきたすとして明らかにしていない。
(資料写真:いわき市水道局)
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いわき市水道局の官製談合事件 県警が他の職員からも任意で聴取 3容疑者は送検
