市は本年度、ふるさと納税に当たる「元気なまちいわき・ふるさと寄附金」の拡大を目指し、返礼品の種類を4~6月の3カ月間で昨年度末の倍に相当する約1200件まで増やした。
この取り組みなどを背景に、寄附の受け入れ額がここ5年で最も多くなり、6月末の時点で前年比1・32倍の9806万6千円を記録していることが分かった。市では過去最高となった2023(令和5)年度の9億1799万7千円の更新を期待している。
いわき市のふるさと納税については23年度、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出、そして同年9月に発生し、内郷地区を中心に甚大な被害を受けた県内初の線状降水帯による水害からの復旧を応援しようと、寄附が増加した。
昨年度は例年並みの水準に戻ったが、22年度を上回る6億7175万2千円もの寄附が寄せられた。市では、さらに『選ばれる自治体』を目指し、本年度に入り積極的な事業者訪問と新規返礼品の開発、ポータルサイトの画像刷新に着手した。
特に7月から、開店前から行列ができることで知られるゼリー専門店「ゼリーのイエ」(常磐上湯長谷町)の協力で、詰め合わせセットを加えたところ、今月1位となる96件・約180万円の実績を上げた。
このほか新規の事例として、市内で暮らす高齢の両親に進呈する目的を兼ねた回数券タイプのタクシーチケットや、鉄道ファン向けに列車の放送やチャイムを楽しめるサウンドツアーが話題となっている。
内田市長が29日、定例記者会見でこれらを発表した。
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市のふるさと納税のうち、20日から28日にかけて、使途を「いわきFCと連携したまちづくり」に指定した寄附が、昨年7月20~31日と比較して8倍の73件に上り、130万円あまりだったことが分かった。
J2いわきFCの主力だったFW谷村海那選手(27)が今夏、J1横浜F・マリノスに移籍。移籍後初となる20日の試合でさっそく、先制ゴールを決めて最下位脱出に貢献したことをきっかけに、古巣いわきFCを激励するコメントとともに急増。主に横浜FMサポーターからの寄附とみられるという。
こうした動きについて、内田市長は「いわきFCはまちづくりのパートナー。谷村選手の活躍とともに、素晴らしい循環が生まれたことはうれしい」と喜ぶ。
いわきFCの田村雄三監督も「いままで聞いたことの無いサッカー界の新たな流れだと思う。一サッカー人として『スポーツの力』を感じる」と感慨深げな表情で、好意的に受け止めていた。
(資料写真:いわき市役所本庁舎)
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いわき市のふるさと納税 返礼品倍増で好調 いわきFC使途は9日間で130万円






