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いわき市 まちづくりビジョン策定へ 来年1月から前倒しで小学校給食無償化なども
内田市長は29日、市役所本庁舎で2期目の就任記者会見に臨み、来年10月の市制施行60周年に合わせた「(仮称)31万人のまちづくりビジョン策定プロジェクト」を立ち上げ、若手が中心となった長期ビジョンを練り上げる方針を示した。
また市長選で訴えた公約を踏まえ、来年1月から小学校の給食無償化を実現するほか、公共事業の予算増(約150億円→約200億円)に向け、来年度から幹部職員を充てる「(仮称)公共事業推進監」を新設し、部局横断で地元経済の活性化を図る。
記者会見では「(過去最低の41・84%と)市長選の投票率が非常に低かったことを受け、市政に対する関心をうながしたい。一方で一定の信任をいただいており、身の引き締まる思い。次の4年間も謙虚にまい進していく」と述べた。
まちづくりビジョンに関しては、特に若者に市政を自分事として考えてもらう狙いがあり、現場で活躍するプレーヤーを招へい。内田市長は「60周年を契機に、100年目のいわきを見据えた未来ビジョンを作っていく」と語る。
給食無償化を巡っては、いわき市では2023(令和5)年度から第3子以降で始まり、今年4月からは中学校全体に拡大。小学校については来年度からを予定していたが、子育て世代の要望を受けて3カ月早くした。小学校給食の無償化によって、歳入が約6億円減少する見通しのため、他事業の見直しで捻出していく。
(仮称)公共事業推進監を新設する背景には、市長選でも話題となった市水道局の官製談合事件を念頭に、公正な入札を担保する狙いもある。
2期目の政策の柱には「国際防災都市」を掲げており、「防災庁の誘致は一丁目一番地」と改めて強調した。石破首相の辞任表明に伴い、防災庁設置が次期政権に受け継がれるか不透明な部分もあるため、自民党新総裁の決定を待って、10月9日に内閣官房への要望活動を予定する。
昨年12月に発足した国連の拠点「国連ユニタールCIFAL(シファール)ジャパン国際研修センター」にも協力を仰ぐとともに、防災関連の企業誘致も果たすことで、若者の定着につなげていくと打ち上げる。
新たな取り組みとしては、来年度から「(仮称)いじめ防止対策チーム」の設置を検討する。市では今年6月、市立学校で重大事態とされるいじめが発覚。この問題を契機とし、いじめの原因は学校のみならず、複雑な環境が影響するため、対策チームでは福祉や医療の分野とも連携する。
(写真:2期目に取り組む政策について語る内田市長)