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不登校支援に新たな形 東日大昌平中がフリースクール開設「未来への架け橋に」
全国的に増加傾向にある不登校中学生の問題解決に向け、学校法人昌平黌(緑川浩司理事長)が運営する東日本国際大附属昌平中は、今月から地域と連携したフリースクール「サポートステーションブリッジ(SSB)」を、平鎌田の同大5号館5階に開設した。
学校法人の附属中学校がフリースクール事業を展開するのは県内初といい、同校では「Bridge to the Future(未来への架け橋)」をコンセプトに、学校復帰や社会的自立に踏み出せる『学びの居場所づくり』を進め、これらで得た知見や成果を市内の不登校中学生に還元していきたい考えだ。
文部科学省によると、2023(令和5)年度の小、中学校の不登校児童や生徒数は34万6482人と過去最多を記録し、11年連続で増加している。
いわき市でも22年度の調査で、473人(中学校346人、小学校127人)と過去最多となっており、全国的に右肩上がりになっていることを背景に、不登校生徒の進学先の確保、学びの多様化を受け、通信制高校の注目が以前に増して高まっている。
フリースクールは1日から開始し、昌平中に転向を希望する生徒、個別学習支援が必要な生徒を対象にする。
専任の非常勤教員と兼任の支援教員、専門カウンセラー、スクールソーシャルワーカーが連携して運営にあたり、図書館など大学の施設も活用し、生徒の状況に応じた個別の学習や生活リズムづくりを支援。また、昌平高と同通信制課程、いわき短大、東日本国際大への進学も一貫してサポートする。
緑川理事長は「誰ひとりも取り残さない。(「論語」から「義を行い以てその道に達す」の)建学の精神に根ざした最大の地域貢献だと思っている。生徒をひとりでも多く、元気に社会に出す支援をしていきたい」と思いを語った。
(写真:東日本国際大に設けられたサポートステーションブリッジ)