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首都圏の中高生 同世代を双葉、いわきに招くツアー企画 被災地の現状学ぶ

 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの福島の復興に関して理解を深めようと、全国でも珍しい首都圏の中高生が同世代を被災地に招く「中高生による中高生のための『福島、その先の環境へツアー』」が2、3日、双葉郡といわき市で行われた。
 首都圏の中学・高校と五井平和財団(東京)によるプロジェクト「GOALs~学校協働SDGsチャレンジ~」の一環で、環境省環境再生・資源循環局の共催、いわき民報社などの協力で実施した。
 GOALsは2021(令和3)年度から首都圏の学校連携プログラムとして始まり、22年度からは浜通りでフィールドワークを展開。一連の活動は高く評価され、23年度には環境大臣賞に輝いた。
 24年度からは事業を発展し、中高生が福島に対するスタディツアーを企画。2年目となる今回は暁星高(東京)、晃華学園中高(同)、城西大附属高(同)、柏陵高(千葉)、麗澤中高(同)の生徒が5月の事前学習による来県を含め、本番に向けた準備を進めてきた。
 スタディツアーには、10校の生徒・教職員ら約60人が参加。初日は双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館、浪江町の震災遺構・請戸小、大熊町の原発事故に伴う除染土の中間貯蔵施設を訪問。津波の脅威や原子力災害がもたらした影響、避難指示解除が進む様子、除染土の県外搬出を巡る動きを学んだ。
 2日目には四倉町の道の駅よつくら港に赴き、ねぶた制作に取り組む小湊琉誠さん(四倉中・3年)の講話を通じ、同じ年代の生徒が地域の伝統を守る姿に触れた。また四倉町で綿花栽培の生産から製品販売までを手掛ける「起点」の畑にも足を運び、原発事故を乗り越え、オーガニックコットンの栽培に懸ける思いを知った。
 参加した中高生は震災・原発事故当時、物心がつく前だったり、生まれる前だったりするため、特に初めて被災地を訪れた生徒は驚きを隠せないでいた。
 「福島で起きた出来事に言葉を失った」「住民帰還はこれからどう進むのだろうか」「除染土の県外搬出について、もっと多くの人に知ってもらいたい」などさまざま意見が挙がり、自分なりに復興への考えをめぐらす有意義なツアーとなった。
 (写真:起点・酒井悠太社長の話に耳を傾ける参加者)

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