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国内外で活動の彫刻家・湯川隆さん 9日まで・ギャラリーいわきで個展
小川町西小川の自宅兼アトリエを拠点に国内外で作品を発表する彫刻家、湯川隆さんの個展「湯川隆彫刻展」が9日まで、泉ケ丘二丁目のギャラリーいわきで開かれている。
湯川さんは1961(昭和36)年、東京・浅草出身。日本美術家連盟会員。多摩美術大・同大学院で、戦後日本を代表する彫刻家舟越保武さんの元で学んだ。
卒業後はイタリア・カッラーラ国立美術学院に留学。帰国後はいわきを拠点に、コロンビア、アメリカ、韓国と精力的に世界各地で作品を制作、発表している。
2019(令和元年)年には日本オリンピックミュージアムに、近代オリンピック創始者クーベルタン男爵のブロンズ像を制作したことで話題となり、いわきでも数多くのブロンズ像が見られる。
会場に並ぶのは、神秘的な印象の女性像。頭部や手、足など肌の出る部分をテラコッタで、ボディはケヤキやヒノキといった福島県産の木材で作られている。
テラコッタの粘土は赤味を抑えた独自の配合で、きめ細やかで温かみのある自然な肌色を演出。素材とじっくりと向き合いながら、木目などの特徴を体の動きや洋服のドレープに生かしている。
今展は直前に都内のギャラリーで発表したばかりの新作が多く、「重力からの解放」を表現した「想 sou」や手の表情が特徴の「与えられしもの」のほか、デッサンや習作のミニチュア版も含めて26点を展示した。
ミステリアスで観る側の創造力が刺激される湯川さんの作品たち。その制作過程も垣間見られる貴重な機会となっている。午前11時~午後7時(最終日は同5時まで)
(写真:作品「想 sou」と湯川さん)