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いわき市とパキスタン巡る誤情報で抗議デモ 多様性尊重を…差別反対カウンターも
SNSでいわき市とパキスタンを巡る誤情報が拡散した件で、内田市長の説明責任を求める抗議デモが14日、市役所本庁舎前で行われた。この動きのカウンター(対抗)も呼びかけられ、多様性の尊重を訴える意思表明も同じ場所で展開されたため、周辺は一時騒然となった。
全国的に一部の外国人による不法行為をきっかけに、排外主義的な風潮が広まっている中、差別やヘイトスピーチ(憎悪表現)を許さない考えも浸透しており、いわき市でも反響を呼んでいる。
X(旧ツイッター)で「いま日本では不法滞在者や難民申請者の長期滞在が難しいが、福島にいる有名なパキスタン出身の社長が姉妹都市を提案し、いわき市長はその場で同意した。これは政府も関わり、いわき市でパキスタン人が容易にビザや仕事、奨学金を得られる」といった情報が流された。
内田市長が今年9月、市内で自動車輸出・製造業を営むパキスタン出身の男性と懇談した際、国内に在住するパキスタン人向けのメディアが、男性の出身地であるパキスタン中部・ワジラバード市と年内にも国際姉妹都市締結と誤って伝え、そこからデマにつながったとみられる。
市、企業側ともに否定し、記事の訂正を要請したがその内容が十分でなく、最終的に削除させた。内田市長はXで説明しているほか、市ホームページでも公式に事実に基づかない発信と発表している。
市役所本庁前では「市長は会見して説明を」「パキスタン人による犯罪が増えかねない」との声が上がった一方、カウンターとして「多様な私たちは共に生きている」「あらゆる国のみなさんと私は友好を望みます」と差別反対への思いが広がった。
(写真:内田市長の説明責任を求める抗議デモ=左=と、差別反対の思いを伝える人たち)