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四倉・ワンダーファームのトマトが宇宙へ 飛行士の食事に 厳しい試験クリア

 四倉町のワンダーファームが手がけたトマトが宇宙空間での食事に提供される。日本の新型宇宙ステーション補給機「HTV―X」1号機に搭載し、10月26日に鹿児島県の種子島宇宙センターからH3ロケット7号機によって打ち上げ、同30日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)を通じ、流通経済研究所から発注を受け、トマトではワンダーファームの「ドキア」のみが採用された。宇宙空間ではトマトの栽培試験や種子保管の実績はあるものの、生食トマトが持ち込まれるのは国内初。世界でも初めてとみられる。
 ワンダーファームの元木寛代表取締役は1日、市役所本庁舎を訪れ、内田市長に対し、自社トマトがISSに送られたことを報告した。ドキアはかためのトマトで、日持ちする点が特徴。一般の市場には流通していないが、主にコンビニエンスストアの商品などに使われている。
 JAXAによる試験は4カ月にわたって行われたといい、生食のため他の候補となった国内のトマトは基準を満たさず。ワンダーファームのトマトに加え、青森県産のリンゴ、千葉県産と新潟県産のナシ、福岡県産のミカンが選ばれた。
 果物が入ったボックスは、米航空宇宙局(NASA)が開発し、核爆発の衝撃にも中身が耐えられる優れものという。こうした生鮮品がISSでも食べられることで、JAXAは「長期宇宙滞在によるさまざまなストレスを緩和し、パフォーマンスの向上につなげたい」と期待を寄せている。
 日本からの野菜・果物はさっそくISSに運び入れ、ドキアも口にした油井亀美也宇宙飛行士。実はトマトは苦手と打ち明けたが、おいしく食べられたと笑顔を見せた。
 いわき市は日照時間の長さと温暖な気候を生かし、トマトの産地として知られている。特に冬春トマトに関しては、双葉郡楢葉町とともに国の野菜指定産地となっている。
 内田市長はワンダーファームの取り組みを大いにたたえ、元木社長は「宇宙飛行士の楽しみは食事とあって、生鮮品を求める要望が多いと聞く。いわきのトマトが選ばれたことは光栄」と胸を張った。
 (写真:油井飛行士がトマトを試食した様子を説明する元木社長)

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