■J2第40節 いわきFC0―1ジェフユナイテッド千葉(29日、フクアリ)
▽得点【千】小森(後41)
千葉戦のスタメンとして、リーグ戦では今季2試合目のGK田中謙吾(33)が起用された。数的不利の中、惜しくも終盤に決勝点を許してしまったが、千葉の得点機を体を張って止める姿に、敵地に駆け付けたサポーターからは「謙吾コール」が盛んに送られていた。
田村雄三監督(40)は試合後、「練習での取り組みも良く、(今季試合に出ている)GK3人の中で、今週は謙吾が権利を勝ち取った。良いパフォーマンスだった」とたたえた。
若い選手が多いいわきにとって、田中はチーム最年長。毎日に懸ける思いは強いといい、日々の練習やトレーニングマッチでも、公式戦と同じ気持ちで臨んでいると明かした上で、「自分がチームを勝たせるという強い思いでピッチに立った。失点したことで、まだまだ成長しないといけないと実感した」と話す。
指揮官から最終的に先発を告げられるのは、試合前のミーティングのため、出られない時期であっても、週末まで出場に対する意気込みを持ち続けたという。「鹿野(修平)と、(高木和)徹と切磋琢磨をして、いい競争をすることが大事だと思う」と、守護神争いをする2人の名前も挙げる。
そして何よりも、自分たちが掲げる理念を強く胸にして、ゴールマウスを守っている。
「いわきFCのGKとして立つ以上、震災復興から生まれたクラブとして、絶対に倒れる訳にはいかない。(震災を経験して)いろいろな思いを背負いながらも、多くの方があのゴール裏に集ってくれている。パフォーマンスで恩返ししなければならない」。残り2試合、J2残留に向けて、ベテランの頼もしさが原動力となる。
いわきFC