いわきFC
スタジアム整備に向け いわき市 行政としての役割検討で小名浜の調査へ
内田市長は21日、市役所本庁舎で記者会見を行い、サッカー・J2いわきFCの新スタジアムを巡り、整備候補地となる小名浜港周辺エリアの価値向上に向け、7月から観光交流や防災・交通機能のあり方や、行政としての役割について可能性調査を実施する方針を発表した。
記者会見には、チームの運営会社・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役、いわき商工会議所の小野栄重会頭が出席した。
有識者を交えたスタジアム整備の検討委員会「IWAKI GROWING UP PROJECT」から、分科会の上林功座長(日本女子体育大教授)、菅波香織委員、ユース委員の小野愛実さん(高崎経済大・4年)も同席した。
新スタジアムに関しては、4月にいわき市の経済4団体が、チームの運営会社・いわきスポーツクラブが掲げる「民設民営」の考え方は尊重しつつも、財政支援を含めた官民連携で整備を進めるよう求めていた。
内田市長はこの要望に対する回答を兼ね、「可能性調査の答えを踏まえ、公的にかかわる部分が明らかになると思う。その時点で財政支援も見えてくる」と述べた。
可能性調査は来年3月までを予定しており、スタジアムが完成する2031年を念頭にした自動運転技術による会場アクセスや、子育て機能や医療との連携が実現することに期待を寄せる。
また整備候補地に近接する福島臨海鉄道の旅客化を望む声に対しては、「市にも意見がたくさん寄せられており、われわれとしても大切な考えと受け止めている。その可能性についても今回の調査の中で検討できれば」と語った。
このほか市としては、7月から企業版ふるさと納税を通じ、スタジアム整備を応援する仕組みづくりを予定。庁内の部局を横断した検討チームも創設する。
経済界の立場から、小野会頭は「経済界含む各種団体が一致団結し、スタジアム整備を応援する。いわきの未来を懸けた壮大な都市計画として、市民総意のスタジアムづくりを実現したい」と呼びかける。
大倉社長は「民間主導ではやるものの、官民連携や市民の理解は必要。スタジアムによって、いわき市・浜通り・福島県がどう変わっていくかが重要で、未来の子どもたちに何を残すかの投資の観点をはじめ、きょうからスタートできる」と述べ、行政や経済界と歩調を合わせると伝えた。
併せてこの日は、スタジアム整備にまつわるビジョンブックが内田市長に手渡された。
いわきFCはスタジアムの例外規定を適用し、2023年シーズンからJ2に昇格。このためJリーグに対して今年6月までに基準を満たすスタジアムの計画を提出し、27年6月までの着工が求められている。完成は31年シーズンの開幕までとなっている。
(写真:記者会見する内田市長ら)