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いわきFC 民設民営でスタジアム整備へ 本年度は建設場所選定・資金調達の議論を

 サッカー・J2いわきFCを運営する「いわきスポーツクラブ」の大倉智代表取締役は4日、常磐上湯長谷町のいわきFCパークで記者会見を開き、新スタジアムの整備について、民設民営で取り組む方針を示した。所有権に関しても自社で持つ構想で、本年度は建設場所の選定に加え、特別目的会社(SPC)の新設も含め資金調達の議論を進める。
 同社は昨年度、スポーツ庁の「スタジアム・アリーナ改革推進事業」に採択された。この報告書が同庁から公表されたことから、大倉社長が今後の方針を明らかにした。本年度も引き続き、同事業に内定したといい、具体的な方向性を固めていく。
 新スタジアムの整備にあたり、昨年度は有識者による分科会を立ち上げたほか、先進的な考えとして、子どもや若者の意見を聞くユースフォーラムを展開。いわき市や双葉郡の将来像を描きながら、「成長するラボ型スタジアム」をコンセプトに掲げている。
 報告書ではスタジアムの候補地に言及しており、利便性などのJリーグの要件を踏まえ、街なかや海辺、自然の中を想定した3エリアを設定した。ただ大倉社長は「現時点で場所を限定しているわけではない。議論のために地元の特徴を置いただけで、場所についてはこれから」と強調する。
 Jリーグのスタジアムを巡っては、これまでJ1は座席数1万5千人以上が必要などとされてきたが、昨年12月に基準が改定され、地域の実情に応じて5千人以上に改められた。
 その点に対しては「座席は多ければ多いほうが確かに良いが、僕らの良さはリーグでもナンバーワンの7割の収容率。5千人ではさすがに少ないが、この一体感・空気感を大切にしながら、適正な数を導きたい」と説明した。
 また、これまでの議論をまとめた「ビジョンブック」の作成にも着手しており、10ページ程度の簡易版と、いわきFCの歩みを交えた100ページ程度の書籍版を予定している。5月に簡易版、7月に書籍版を発行する見通し。
 いわきFCはスタジアムの例外規定を適用し、昨季からJ2に昇格。このため2025(令和7)年6月までに基準を満たすスタジアムの計画を提出し、27年6月までの着工が求められている。完成は31年シーズンの開幕までとなっている。
 (写真:今後の方針について語る大倉社長)

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