いわき観光まちづくりビューロー、いわき湯本温泉旅館協同組合は28日、サッカー・J2いわきFCと連携し、いわき湯本温泉の効能を生かした「ストレス軽減効果測定」を展開した。この取り組みは日本温泉保養士協会(本部・中央台高久)の協力で行われ、温泉を通じてアスリートの疲労をいかに取り除けるかを検証することで、その魅力を広く全国に発信していく。
同協会の小野倫明会長によると、いわき湯本温泉は全国でも珍しい「硫黄泉」のため、自律神経に対する刺激作用に優れており、身体を整える効果が期待されている。特に筋肉を弛緩させる働きが強い「ストレッチ温泉」であると解説し、紫外線から肌を守ったり、湯気によって上気道の炎症を和らげたりもするという。
同協会は日本型健康法である湯治(温泉保養)を踏まえ、温泉にまつわる知識を観光や健康、福祉の各種事業に活用するスペシャリストとして、温泉保養士(バルネオセラピスト)の養成とともに、現代型湯治健康法(スパウェルネス)のプログラムを開発。住民を交えた温泉地づくりによって、新しい地域振興の形を提唱している。
小野会長は「(常磐白鳥町の)JRA競走馬リハビリテーションセンターでは、60年以上にわたって故障した競走馬の温泉療法が行われている」と指摘。体が資本であるスポーツ選手にも、同じようにいわき湯本温泉がプラスに働くと話す。
今回は、いわきFCの選手たちがJヴィレッジスタジアム(双葉郡広野町)で練習した後、クラブハウスに戻って小野さんの講義を受け、温泉の入り方について理解を深めた上で、旅館こいとで実際に入浴。この前後で唾液を採取し、快・不快に応じて変動する消化酵素アミラーゼ活性値を通じて、ストレスが緩和したか確認した。
その結果、多くの選手で値の軽減が見られた。小野会長はこれらの内容を踏まえ、改めていわき湯本温泉について取りまとめする計画だ。
同ビューローの若松貴司専務理事は「歴史あるいわき湯本温泉だが、どうしてもその良さが伝わっていない部分がある。こうした検証をきっかけに、来市するいわきサンシャインマラソンの参加者や、自転車愛好家の方々にも親しんでもらえれば」と期待を寄せる。
また同組合では、いわきFCの選手がいつでも気軽に温泉に入られる体制を整えており、日頃の活動の中でも積極的に利用してもらいたいと呼びかけている。
(写真:効果を実感するため温泉に入る選手たち=いわきFC提供)
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