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入遠野を盛り上げていきたい

「入遠野を盛り上げていきたい」
遠野紙子屋代表 平山 祐さん(遠野町)

「地域が何を求めているかが大事」。平山祐さん(39)=遠野町在住=は、いわき市の遠野町地域おこし協力隊として遠野地区で400年以上の伝統を誇る「遠野和紙」の継承に努め、任期を終えるとともに同地に定住した。昨年5月には工房兼店舗の「遠野紙子屋」を妻綾子さん(35)とともにオープンし、和紙づくりを展開する傍ら、市民講座の講師、地元の子どもたちとのふれ合い事業など、地域貢献にも尽力している。

遠野町入遠野の入遠野公民館前に立つ「遠野紙子屋」。呉服店だった建物を自前で改装した。30平方㍍ほどの店には、遠野和紙の原料コウゾが積み上げられ、入り口わきには紙すきの体験コーナーが設けられている。
平山さんは「この8カ月、本当に目まぐるしかった」と振り返る。名刺やポストカードの発注を受けつつ、地域おこし協力隊に関するコーディネーターを依頼されたり、県の移住促進事業を手伝ったりと、まさに文字通り奔走してきた。
神奈川県から綾子さんと縁あるいわきに移り住み、地域おこし協力隊として2年半の任期を務めた。「誤解してほしくないことは、地域あっての地域おこし協力隊。いわゆる〝地域ファースト〟でないと、結果的に定住することは難しい」と、自らの経験からあえて厳しい口調で語る。
遠野地区では、遠野和紙の最後の職人瀬谷安雄さんが平成26年に89歳で亡くなった後、伝統をいかに受け継いでいくかが課題だった。市は翌27年から、地域おこし協力隊の制度を活用し、和紙の保存継承を担う人材の確保を図ろうとしたが、残念ながら平山さんの委嘱まで定着しなかった。
新たな取り組みも進めている。その一つに、県内各地の和紙職人と連携した勉強会がある。昨年10月には東白川郡鮫川村の「鮫川和紙」を復活させた職人のもとに、県内各地の関係者が一堂に会した。「他の和紙と連携していくことも重要。何もしなければ衰退してしまう」と、他の職人の見地を柔軟に取り入れていく姿勢を示す。
そして何より、平山さんは「この入遠野がとても好き。和紙にとどまらず、入遠野を盛り上げていきたい」と強調する。子どもたちが入遠野公民館で放課後、宿題をしたり遊んだりする「山の寺子屋」では、〝地域のおにいさん〟として親しまれている。「子どもたちの口の利き方は完全に友達」と笑う平山さん。小学5年生向けの料理教室も計画しているという。「まだまだやりたいことはたくさんある。1年1年を大事にしていきたい」。遠野和紙をきっかけに、平山さんの地域に根ざした活動は続く。

 

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