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片隅抄

2014.07.18

少年時代の思い出は、夏休みに尽きる。朝寝坊で一日が始まり、ごろごろしながらスイカを好きなだけ食べる。実家前の大通りで開かれる「平七夕まつり」を朝から晩まで楽しみ、お盆を迎える▼当時、街中を少し離れると田畑や雑木林も多く、昆虫採集に適していた。夏の朝、カブトムシの居場所に詳しい友達を先頭に夏井川堤防沿いにある農家の堆肥場に行ったことがある。急いで掘り起こすとさなぎからかえったばかりの成虫が取り放題だった▼喜んだのもつかの間、家主に見つかりほうほうの体で逃げ出した。今も昔もカブトムシは子どもの興味を引く。自然が少なくなった現在、NPO法人いわきの森に親しむ会が8月9日、県立いわき公園内で「夜の生き物観察会」を開く▼街灯につられて飛び交う甲虫類、羽化するセミの姿などに接することができるという。夜の静けさを体験しながら自然の仕組み、虫の生態を学ぶ機会だ。準備を万全に出かけてみよう。

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