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片隅抄

2014.10.06

小学校の家庭科では、5年の2学期にミシンの使い方を学ぶ。先日、その場を取材した▼子ども時代、どの家にもミシンがあった。そして、学用品を入れる袋物や清掃時のひざ当てなど、学校で使う布製の持ち物は、大概の子が、母親が端切れなどを利用してミシンで縫った物を使っていた▼今は違うようだ。「そういった類の物は大体は100円ショップなどで安く手に入り、わざわざ手間を掛ける必要はない」という。ミシンがない家庭も珍しくないらしい。初めてのミシンに、一生懸命向かう児童の姿に、この中には、家で作った物を少し恥ずかしく、また同じくらい誇らしく持ち歩き、使うほどにわいてきた愛着を知らない子もいるのだと感慨深くなった▼また雑巾も100円ショップの物の使い勝手が結構よいとか。自身は「雑巾はミシン縫いだと仕上がりが硬く、使いにくいので手縫いの方がいい」と教えられたが、そんな暮らしの知恵も今は無用なのだろうか。

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