「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」。この一節が頭に浮かんだ。昨日、いわきサンシャインマラソンが開かれた。例年沿道でランナーの姿を追っているが、時に前年に見た顔を見つけることがある▼参加ランナーは約8500人、その中には関西や九州、沖縄からのエントリーもあった。その人々の目的は「走ること」に相違ないが、そのために毎年、遠路をやってくるのだ。同じ顔を1年ぶりに見た時には、懐かしい友と再会したような気持ちになる▼特徴的なコスチュームやパフォーマンスで「あの人だ」と気づくことも多いが、それはすなわち、いわきでの走りをそれだけ楽しんでくれているということで、地元住民としてこれほどうれしいことはない▼市民側からみても、スタッフ、ボランティア、そして沿道の応援など、相当数の人々がかかわる今やいわき最大のイベントでもある。「遠方の朋」が1人でも増えてほしい、そんな市民の思いを毎年実感している。
片隅抄