アメリカのテレビドラマシリーズ『ナイトライダー』に、司法がさばけぬ悪を退治するため造られたドリームカー「ナイト2000」が登場する▼車にプログラミングされたAI(人工知能)である愛称キットは感情を持ち、主人公である元刑事のドライバーと流ちょうに人間の言葉を話す。また、彼が任務中に意識を失うと、言葉で励ましながらキット自身で判断し自動運転に切り替わる▼このドラマは35年前に始まった。まさに現実にはありえない夢の車――だと思っていたら、このほどトヨタ自動車が、運転手の感情を読み取って会話を交わしたり、居眠りをしそうになれば自動運転に切り替わったり、好みの音楽を流したりする▼車のセンサーが自動で検知し、追突事故や車線の逸脱を避けるのはもう当たり前になった。電子制御ジャイロ搭載で倒れないバイクというのも開発されている。こうした技術の進歩がこれからの社会をどう変えていくのか興味は尽きない。