市内では県総体いわき地区予選、中体連などのスポーツ競技が行われ、紙面でも選手の活躍ぶりを紹介してきた。間を置かず、次は市小学校陸上競技大会も開幕、梅雨空に負けず児童が持てる力をぶつけている▼紙面製作の途中、この陸上競技の話になった。各種目に出場する者に対し、成績を伴わない部門がある。一人が発した「一般100」の言葉に遠い昔を思い出した。表現は悪いが、その他大勢のニュアンスがある▼運動に自信のないこちらは、もちろんその部であり小・中学校を通じ体育大会などには、いやいやながら出たものだ。時に昭和49年、小学校の同級生が100㍍13秒3を出し、大きな話題になった。勉学にも優れた彼は現在、教育関係の要職にあるという▼その他大勢は決して恥ではない。個々の能力は千差万別である。潜在する特性をいかに引き出し、伸ばすことで子どもたちに的確な指針を示すことが指導者、教育者たるべきではないか。
片隅抄