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片隅抄

2019.01.21

会社の近くに実家がある。住んでいた両親も今はなく防犯上、仕事帰りに立ち寄り夜を過ごす。築60年近く構造も一般住宅と異なるため、やたら空間が多く、今頃は冷気にふれる幅が広い▼もちろん断熱加工などの施しもなく「昭和の寒さ」が身に染みる。暖房器具は石油ストーブ、ファンヒーター、そして炬燵。注意はしているものの、酒に酔ったまま寝入ってしまう。万一、失火などで近隣に迷惑を掛けないようにと肝に銘じているのだが▼26日は「文化財防火デー」。いわき市内の寺院などで防火訓練が始まった。ここ数日、雨もなく空気が乾ききり、火が出た際には古い木造建築物は一瞬で灰じんに帰してしまう。この防火デーは昭和26年の法隆寺金堂の焼失がきっかけという▼原因は壁画の模し作業での暖房器具の不始末といわれる。自然発火も怖いが人的火災は防ぎようがある。朝、家を出るときなど気に病むくらい消し忘れを気にしなければならない。

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