今年もまもなく終わろうとしている。振り返ると、いわき市にとって後半は大変な1年だった▼東日本大震災の風化が進み、災害に対する警戒心が薄れる中で起きた台風19号と、その後に降った記録的な豪雨災害。平窪、赤井、好間地区は広範囲にわたって河川が氾濫し、甚大な被害を受けた。水が引いた後、地域を回ってみたが、道路には災害ごみが山積みされ、被害の大きさを物語っていた▼弊社では地域紙という立場から、被災地の情報はどこよりも早く、詳細な情報を継続的に市民の皆さん届けた。その中で感じたことは、後片付けのために市内はもとより、全国から駆けつけてきたボランティアの方々の善意あふれる行為。その姿に今の社会はお互いの助け合いの心によって、成り立っていることを改めて実感した▼被災者の生活再建は年をまたいでこれからも続いていく。来年も地域の新聞として、被災地の皆さんに寄り添って報道していきたいと思っている。
片隅抄