20年近く前のことだろうか、知人を訪ねてニュージーランドに行った。ゴルフも楽しもうとしていたところ、クラブについた土はよく落として、スパイクは現地で買った方がいい、と言われた▼聞けば、検疫が厳しく、特に自国の農業等に悪影響を及ぼす雑菌を持ち込む可能性の高いことにはなおさら厳しいとのことだった。世界に名だたる農業国で、固有の生物も数多く、人口よりも羊の数の方が多いとも言われているだけに、妙に納得したのを覚えている▼今、新型コロナの脅威が全世界に広がっている中、ニュージーランドは封じ込めにいち早く成功し、世界から称賛されている。普段からの取り組みが危機管理に十分に行かされたということだろう▼日本ではどうか。対応が後手に回っている感が否めない。工業製品から食品に至るまで輸入に頼っている体質が、感染の防止、そしてその封じ込めを遅らせているようにも思える。足元から見直す時期に来ている。
