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片隅抄

2011.03.15

 11日午後2時46分ごろ、その時車の中にいた。信号で止まっていると、車載テレビで緊急地震速報が流れた。と同時ぐらいに車が揺れ出した。揺れは、信号が変わっても収まらず、前後左右、ブレーキを踏んでいても、動き出してしまうのではないかと思うほどの揺れの大きさだった▼信号機や沿道に立っている標識も、これまで見たことのないぐらい揺れていた。そのままわき道に入ると、道路沿いの家の瓦が次々と落ちていた。外に出て立ちすくむ住民。事の重大さに初めて気がついた▼さまざまな災害被害で「大変な事態」と思うことがあっても、どこか〝対岸の火事〟と感じていたのかもしれない。津波被害にあった現場に行った。そのすさまじい状況に声が出なかった▼各地の惨状を見ていたら、生きているだけでもよかった、と感じた。市内でも、被害者、行方不明者とも、これからも増えていくとみられるが、なんとか乗り越え、復興まで「頑張ろう、いわき」

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