やや肌寒かったものの、盛況のうち幕を閉じた第33回植田町本町通り歩行者天国。毎年、「こどもの日」に開かれていたが震災による影響で開催が危ぶまれていた▼会場で言葉を交わした中に「いわき勿来ミツバチプロジェクト」のメンバーがいた。活動開始から1年がすぎ、昨年の歩行者天国では純度100%の勿来産はちみつの予約を受け付けていたが、地震の揺れでミツバチの多くが死滅したという▼巣箱で身を寄せあうように生き、懸命に蜜を集めてきた小さな生命を思うと哀れでならない。そのかたわらでは、校舎や施設が大きな被害を受け他校で間借りする磐城農業高の生徒も参加、メンバーとともにヒマワリの種を来場者に配布していた▼プロジェクト、同校が連携した街なかを花いっぱいに飾り、蜜源を得ようとする試み。「明日世界が滅びるとしても 今日あなたはリンゴの木を植える」。生徒の笑顔を見ながら、詩の一節を思い出した。
片隅抄