危険な暑さと突発的な大雨、さらには雷が加わる。梅雨明け宣言も出ない中、すでに夏である。九州北部では、犠牲者が出るほどの雨量を記録するなど、自然の前には人智のおよぶところではない▼開放的な夏の記憶をたぐると、のどの渇きが鮮明に思い出される。小学生当時、友だちと夏井川堤防沿いで遊びに熱中し、気が付いたら猛烈に水分が欲しくなった。周囲は自販機などもなく我慢しながら家に帰ったものだ▼この猛暑の中、屋外での行動に注意が呼び掛けられている。何が大事か知らぬが学校行事を優先し、児童・生徒を熱中症で苦しめる関係者がいることに驚く。決まったことだから、実行しなくてはならないと思っているのかと首をかしげる▼こちらが体験した夏の暑さと、現代は質が違う。搬送された例では、創立記念の人文字写真の撮影があったという。今では、ひと昔前の行事に駆り出された児童は気の毒。犠牲者がなかっただけでも幸いである。